園だよりから【7月】『スーパー銭湯改革』と聞いて……
『スーパー銭湯改革』と聞いて……
園長 橋 本 光 生
梅雨と言いながら、その合間にさす日差しはすっかり夏のものになってきました。
さて、標題の『スーパー銭湯改革』って何?
と、おそらく首をかしげられたのでは。
これは、実は「数%改革」と言われたのに
「スーパー銭湯改革」と聞き違えてしまったという、
ある冊子の中で見つけたお話です。
一文字(一音)違うだけで、意味はまったく変わってしまいます。
江戸の頃の人は、それを言葉遊びにして、
〈世の中は、澄むと濁るの違いにて、福に徳あり、河豚(ふぐ)に毒あり〉
とか、
〈墓はお参り、馬鹿はお前だ〉、
〈人は茶を飲み、蛇は人を飲む〉、
〈刷毛に毛があり、ハゲに毛がなし〉
などと、楽しんでいました。
かつて時代劇の定番だった弥次・喜多道中の『東海道中膝栗毛』で知られる十返舎一九は、
「長閑(のどか)なる 霞(かすみ)ぞ 野辺(のべ)の にほひかな」
と、静謐さが漂う句も、濁点の所を変えて、
「喉(のど)が鳴る粕味噌(かすみそ)の 屁(へ)の におひかな」
と可笑しさに変えてしまうあたりは、
さすが戯作者の本領発揮で、
その洒脱な遊び心に頭が下がります。
ところで、冒頭の「数%改革」の中で
「数%でも、改善に努めることが大事」
の記述もさることながら、
「スーパー銭湯が人気を得たのには、
安・近・短で、温泉とレジャー施設の気分を味わいたい
という人々のニーズを的確にとらえたから」
のくだりの方が、ずっと心に残りました。
なぜなら四月以来、ご家庭や子供たちのニーズを知る中で、
どれだけ一人一人の子供に寄り添い、
興味や欲求を十分に満足させてきたか、
はなはだ覚束なかったからです。
そこで七月は、自戒を込めて「数%改革」の推進はもちろんのこと、
『スーパー銭湯改革』の月になるよう努めてまいりたいと思います。
両者の達成度については、次回以降の園だよりにてお知らせいたします。