園だよりから【1月】夢と希望が広がり、よい事がいっぱいの一年に

夢と希望が広がり、よい事がいっぱいの一年に

             -本年もよろしくお願いいたします-

                                                                                    園長 橋 本 光 生

まだ何も 書かれていない 予定表 なんでも書ける これから書ける(俵 万智)」と、

子供たちが描く未来に思いを馳せながら、令和3年を迎えました。大晦日の1300人を超える

感染者に加え、日本海側の荒れた天候の影響で東京も厳しい寒波の中で迎えた新年でしたが、

ご家族お揃いで静かな新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

さて、今年の干支は十二支では二番目の丑で、前年の子年に蒔いた種が芽を出して生長する年とされています。

そこには、先を急がず目前のことを「じっくり」と進めて行けば、必ず将来の成功に結び付くという意味が

込められているとのこと。その丑年で牛のイメージと言えば、「おだやか」の一方で「力強さ」ではないでしょうか。

なるほど十二支レースで一位だったはずの牛が、ネズミの作戦で二位になったのも頷けますし、

「牛にひかれて善光寺参り」のように、老婆をぐいぐいと引っ張って行く様も、然りという気がします。

ゆえに丑年の今年は、コロナ対策に「おだやかな」気持ちで臨み、「じっくり」と取り組んだ結果、

コロナ禍から「力強く」一気に解放され、憂い事のない一年でありたいと期するばかりです。そして子供たちには、

楽しさがいっぱいの中で希望と喜びが広がる一年であることを期待しています。ちなみに子供たちが立てる予定は、

一年分の計画でしょうか。それとも大人になるまでの長期計画でしょうか。冒頭の歌に詠む「まだ何も書かれていない予定表

であれば、牛の歩みのようにゆっくりと計画を練り、さらには「なんでも書ける」とあるように、

とりとめのないものでも少しも構いません。

なぜなら、かつてのSFも今や多くが現実になり、単に可能性を問う指標の一つに過ぎないからです。

そう言えば経済産業省でも、以前に『SFの世界が現実になる日』というタイトルで政策特集を組んでいました。

また、昨年12月の「はやぶさ2の帰還」は夢を超えた思いをもち続けて為した偉業として記憶に新しいですし、

『不老の時代来る? カギは老化細胞』の同じく12月の新聞記事も、不老不死は決して荒唐無稽な話ではないとしています。

非常事態宣言下ながら、歌人の石川啄木が元日に「何となく 今年はよい事 あるごとし 元日の朝 晴れて風無し

と詠んだように、今年は良いことが続く一年でありますように。どうぞ、本年もよろしくお願いします。