園だよりから【1月】四月から重ねた成長のもと、三月の開花を彩る
四月から重ねた成長のもと、三月の開花を彩る
-「花信風」の便りのごとく一歩ずつの伸びを垣間見る中で-
園長 橋 本 光 生
どの子の瞳もキラキラと輝き、笑顔いっぱい、元気いっぱい。
そんな南の子を思いつつ、穏やかな日差しの中、平成最後の新年を迎えました。
そして本日、久しぶりに子供たちと、ホールで一堂に会しました。
一人一人、愉快なお正月を過ごしたことがすぐに窺えるにこやかな表情で、
一年のスタートに相応しい顔合わせでした。
さて、子供の成長に一足飛びの成長はなく、一歩ずつ伸びていくものだと、
以前にも述べました。
それは、今の時期から五日ごとに吹く「花信風(かしんふう)」が、
一つ吹くたびに春へ近づいていくように、です。
「花信風」とは「二十四番花信風」のことで、小寒から穀雨まで、
つまり初春から初夏にかけて二十四回吹く風のことです。
一番目を「梅花の風」とも言い、花だよりの風でもあります。
ところで、その一番風、二番風が冷たく吹く中で、じっと立つ冬の桜が、
意外や春に爛漫と咲き誇る桜の方よりずっと好きだという声を聞くことがあります。
ちなみに、染料の中に桜色という色がありますが、
この清楚な淡紅色は、つい「桜の花びら」から取るものと思っていたら、
何と「桜の枝」を煮出して抽出するのだそうです。
なるほど、冬の桜は寒さの中で、桜の色を熟成させているのかもしれません。
そう考えると、冬の桜のひた向きさに思わず魅かれるのも、うなずけます。
そして子供たちも、四月からの成長を花信風に乗せるかのように、
「ここも伸びた。こんなこともできるようになった」
と折ふし伸びた姿を見せてはじっくりと積み重ね、
さらに来月のおひな祭り会ではもちろんのこと、
三月の修了式・卒園式で、一段と素敵な姿を披露するに違いないと、
今から喜んでいます。
年の初めに際し、
保護者の皆様がいつも子供のことを最優先で考えてくださることに感謝し、
職員一同、日に新たに、日日に新たに努めてまいります。
どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。