園だよりから【3月】「期待(きたい)」から「喜待(きたい)」へ!

「期待(きたい)」から「喜待(きたい)」へ

                  -子供たちの今後の活躍が、ますます楽しみです-

                                                                           園長 橋本光生

           つもった雪     金子みすゞ

上の雪 さむかろな。つめたい月が さしていて。

中の雪 重かろな。何百人も のせていて。

下の雪 さみしかろな。空も地面(じべた)も みえないで。

粉雪、淡雪、薄雪、細雪、綿雪、どか雪、ぼたん雪*もちろん“アナ雪”というのはありませんなど、

その時々の雪を、日本人の感性はさまざまな言い方で表現してきました。

でも、「粉・淡・薄・細・…」のように、目に映る形や大きさ、やわらかさではなく、

「上の雪、中の雪、…」と雪の中に思いを馳せたのは、

『私と小鳥と鈴と』で知られる詩人・金子みすゞならではでしょう。

その眼差しは、目の前の子供を「子供たち」とか「みんな」とひとくくりにしないで、

一人一人をしっかりと見つめ、寄り添い、

どの子ももつ良さや可能性を引き出し伸ばす、何物でもありません。

ぜひ、見習いたいものです。

折しも、正門を入ってすぐの所で育つ枝垂桜に、花芽がチラホラと目につくようになりました。

これも見えないところで冬の寒さに耐えながら、開花の準備をしてきた証です。

子供たちも昨年の四月以来、じっくりと力を蓄え、体の大きさだけでなく、

心もたくましく育ち、表情も豊かになりました。

その成長ぶりは、おひな祭り会でお届けした通りです。

ところで、私は満開の桜や桜吹雪を見るより「早く咲かないかな」と、

桜が咲くのを待ち焦がれるときの方いいと思う一人です。

枝の先に一輪の花を見つけたとき、これから次々に咲く様子が思い浮かび、

一気に希望が膨らむからです。

きっと子供たちも、これから何かにつけ

「こんなことまで、できるようになった」「こんなに伸びている」と、

思いもかけない成長を見せてくれるに違いありません。

ですから、四月から新たなステージに向かう子供たちの活躍が期待されます。

そして、それ以上に、その活躍ぶりが楽しみです。

結びに保護者の皆様には、一年間、数々のご支援をいただき、誠にありがとうございました。