園だよりから【10月】昨日より成長した姿を見つけてください -運動会を前にして-

昨日より成長した姿を見つけてください -運動会を前にして-

                            園長 橋 本 光 生

 運動会の練習が佳境を迎えている中を、自然観察園や園舎周りを歩いたら、

桃色の花をつけたサルスベリや白一色のオシロイバナ、

黄色く色づいたカラスウリが目に留まりました。

オシロイバナは、夏の初めから咲いていたはずなのに、

日が短くなり午前中に開花するようになってから、

こんなに白ばかりだったかと改めて気が付いた次第です。

そう言えば巾着田のヒガンバナも、見ごろが近づいているとの看板を駅で見かけました。

でも、私たちの周りでは、そうした人の目を引く花や実ばかりではありません。

中には小さいばかりに目立たなかったり、枝葉に隠れて見逃したりする草花がたくさんあります。

むしろ、そういう草花の方が多いかもしれません。

しかし、どの草花も開花と結実を目指して、着実に花をつけ、実を結んでいるのです。

それも、じっくりと栄養を貯め、時期を見計らいながら。

ちょうど子供たちが、今週末に迫った運動会当日に、

それまでに積み重ねた練習と蓄えた力を糧にして、

一番りりしくて格好いい姿を披露するように、です。

ところで、『人の価値』を問うた新聞のコラムに、

『自分をなにかと比べるなら、それは外部の誰かではなく、

「きのうの自分」でなければならない。

「きのうの自分よりも、きょうの自分の方が良くなっている」

という思いが積み重なっていく時、その人自身の基準による本当の「人の価値」が見えてくる』

との内容の文を見つけました。

なるほど運動会の出来栄えをほめるときでも、今の出来に加えて昨日から進歩したところを見つけ、

ほめることが大切であることに気づかされます。

そして子供自身も、昨日より頑張った自分をほめられることで、

ますます自信を得て、明日への意欲をかき立てるのです。

これが、前を向いた子供の成長する姿です。

どうぞ今年の運動会でも、昨日より進歩したわが子の成長を見つけては、

認め、称揚し、一緒に喜んでいただきたいと願っています。