園だよりから【1月】この日、この時、この瞬間を大切にする一年でありたい
この日、この時、この瞬間を大切にする一年でありたい
- 去年今年(こぞことし) 貫く棒の 如きもの 高浜虚子 -
園長 橋 本 光 生
貫く棒の如き月日が流れ、災害の多かった昨年から、今年こそは平穏な日々が続くようにと願い、
令和も二年目に入りました。
ところで、新年になると思い出すことがあります。
それは、私が小学校五・六年生の頃の担任の先生が、何かにつけて
「君たちが、大人になって迎える21世紀は、斯く斯く…」と話されていたことです。
それを聞く当時の私は、30年以上も先のことであり、しかも40代も半ばの自分の姿など少しも想像できず、
ただぼんやりと聞くだけでした。
それでも担任の先生とは、誠に偉大です。
高校生になっても、大学生になっても先生の言葉が思い出され、その影響力を思うにつけ、
これをして私を、教職に向かわせる動機の一つになったことは間違いありません。
その21世紀に入って早くも20年目となり、人で言えば成人です。
まさに“貫く棒”のごとく「その日、その時、その瞬間」を経て、今に至りました。
でも、21世紀になって何かが一気に進歩し、変化したわけではありませんでした。
ちょうど今年がオリンピックイヤーで例年とはだいぶ違う年になりそうでも、
子供たちや私たちにとっては、幼稚園での生活は少しも変わる所はなく、
その日、その時を大切にし、積み重ねていく毎日です。
そして本日。
年が明けて一堂に会した子供たちの瞳は、どの子もキラキラと輝いていて、まさに希望の世界が広がっていくようでした。
そこで、今を重ねて未来へ続くこの瞬間を決して粗略にしてはならないと、
進級・卒園までの大切な三か月間の過ごし方を話しました。
もちろん私たちは、一人一人の子の成長をいささかも見逃さぬようにと、意を決しながら。
思想家にして教育者の森 信三氏は、『一日は一生の縮図』と述べ、
「二度とない、その日、その時、その瞬間の大切さ」を説き
そこから「今日為すべきことは、今日行うこと」と教えました。
私たちが行うべきことは、ただ一つの例外もなく、その日その日の子供の成長をしっかりと見つけ、
子供も自らを伸ばせるようにすることです。
そのために今年も、職員一同、明確な目標のもとに、豊かな発想と確かな実行力をもって臨んでまいります。
どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。